医師のみなさん、まわりの先生で「ワンルームマンション投資」をやっている人、いませんか?
僕のまわりでは3人います。
その中の1人は友人で、今まさに2部屋目を購入しようとしていたので全力で止めたのですが、
彼の目はすでに完全にキマってしまっていて、何を言っても彼の耳に声は届かず(洗脳)
これ以上言っても友人関係にヒビが入るだけなので、そっとしておくことにしました・・・
なので友人には届かなかった、僕のワンルームマンションの認識を、ここで供養させてください(遠い目)
この記事では、
・医師がワンルーム投資に狙われる理由
・巧妙すぎる営業トークの手口
・やってはいけない経済的・法律的リスクの正体
を、実例や数字を交えて解説します。
「忙しくてよくわからないけど、とりあえず資産運用を始めたい」と考えている方こそ、ぜひ最後までお読みください。
僕は現役医師で、勤務医の給与所得を利用した資産運用の経験があり、
このブログでは医師のお金に関することなど、医師の生活に関わることを書いています!
医師のお金に関する基礎的なお話はこの記事を参照してください

医師がワンルーム投資に狙われる5つの理由
まず、なんで医師がこんなに不動産業者から狙われるか、
ななぜ医師は「いいカモ」なのかです
理由 | 内容 |
---|---|
高収入&安定職 | 融資が通りやすく、不動産業者にとって“好物件”のような存在 |
多忙で知識が乏しい | 市場調査・契約書確認を怠りやすく、詐欺的手法に弱い |
プライドをくすぐりやすい | 「〇〇先生も買ってますよ」に心が揺らぐ心理 |
個人情報が出回りやすい | 医師名はネットで簡単に検索できる PHSへの営業電話もかけやすい |
仲間内の紹介を断りづらい | 先輩や同期からの紹介は断りにくく、囲い込みに |
実録:医師への勧誘手口はここまで巧妙!
病院内PHSへの直接電話
病院用のPHSの外線番号は連番になっていて、一人の医師の連絡先がわかったら芋づる式に大量の医師の連絡先がわかるんです。
また、代表電話にかけてきて「患者のご家族を装って」取り次がせる手口も日常茶飯事。
先輩医師の“推薦”
「確定申告書を見せながら節税成功アピール」「紹介料が目的で後輩に圧をかける」など、身近な人間関係を悪用。
「FP(ファイナンシャルプランナー)」を装った営業
お金の知識が少ない医師は、FPから言われたら信じてしまいがち。
源泉徴収票を提示させて「税金対策しましょう」と言いながら融資可能額を調査。
ほかにも・・・
「マッチングアプリ」や「婚活パーティー」で出会った異性からすすめられて始めた先生もいるようです。
甘い話には要注意ですね。
よくある“セールストーク”と、その裏側
医師を狙う不動産営業マンは、非常に巧妙な話術で「ワンルーム投資の魅力」を強調してきます。しかし、その裏には重大な落とし穴が潜んでいます。
- 「頭金ゼロ・フルローンで始められますよ」
→ 魅力的に聞こえますが、実態は“高値掴みの借金スタート”。物件価格が市場より高く設定されているケースが多く、購入直後から含み損を抱えるリスクがあります。 - 「手出しなしで毎月ちょっとプラスです」
→ 表面利回りだけで説明されることが多く、実際には修繕積立金・管理費・税金・広告費などを差し引くと毎月赤字になるケースが大半です。 - 「節税になります!」
→ 赤字で税金が減るのは事実ですが、“損をしたから税金が減る”という構図です。本末転倒なロジックに注意が必要です。 - 「将来の年金代わりになります」
→ 30年後に手に入るのは築古のボロ物件。家賃は下落し、修繕費は高騰。とても安定収入とは言えません。 - 「団信に入るから保険代わりにもなりますよ」
→ 団体信用生命保険で残債がなくなるのは事実ですが、実際に残る資産は価値の下がった物件。掛け捨て保険の方がコスパに優れます。 - 「サブリースだから空室リスクはありません」
→ 数年後に家賃を減額されるリスクが高く、契約の解除も困難。安定収入どころか損失拡大の原因になります。 - 「NISAやiDeCoよりインフレに強いですよ」
→ 不動産は物価に強いと言われますが、築年数による資産価値の低下・家賃の下落・空室リスクなどで、理論通りにいかないのが現実です。 - 「5件買って5年で売れば効率的に節税できます」
→ 特殊なスキームを提示されることもありますが、これは極めてリスクが高く、そもそも5件もローンを組める状況自体が異常です。 - 「私を信用してください。これは先生にしかご紹介していません」
→ 最も危険なセールストークの1つ。信頼を盾に、論理より感情で押してくる営業には要注意です。
医師がワンルーム投資を絶対に避けるべき6つの理由
1. 実際の利回りは極めて低く、むしろ毎月赤字になる
ワンルームマンション投資は「表面利回り」で魅力的に見えるよう設計されていますが、実際に手元に残るお金はまったく別物です。
まず、購入価格が相場よりも高く設定されていることが多く、購入した瞬間にすでに数百万円の含み損を抱えるケースも珍しくありません。さらに、購入時には不動産取得税や登記費用、仲介手数料など、物件価格の6〜7%にあたる初期費用がかかります。
それだけではありません。管理費や修繕積立金は当初こそ抑えられていても、築5〜6年を境に大幅に引き上げられることが多く(修繕計画書には載っていますがちゃんと説明しないことが多い・・・)、家賃収入を圧迫します。また、空室が発生すれば収入はゼロになり、退去時には原状回復費や広告費(家賃の1〜2ヶ月分)が発生します。
これらの要素をすべて考慮すると、実際の利回りはプラスどころか毎月1〜2万円の赤字になるケースが大多数です。中には、複数戸を所有した結果、月に15万円以上の持ち出しとなっている医師もいます。
2. 節税効果は「損をしている証拠」であり、本末転倒
営業トークでは「節税になるからお得」とよく言われますが、これは不動産所得が赤字になることで所得税が減るという仕組みを利用したものです。つまり、“節税できる”ということは、“損をしている”ことの裏返しなのです。
さらに、不動産投資による節税効果のほとんどは「減価償却費」などによる一時的な損益通算に過ぎず、税金の支払いを将来に先送りしているだけの「納税の繰り延べ」です。そして、節税できる金額は数万円〜数十万円程度であるのに対し、背負うローンは数千万円。経済合理性のない節税であることは明らかです。
医師のようにすでに高額所得を得ている人が、わざわざ損失を出してまで節税を目指すことは、合理性に欠けた判断といえるでしょう。
3. 将来の年金や生命保険の代わりには到底ならない
「年金代わりになります」「団信に入れば保険代わりにもなりますよ」といったトークもよく聞かれますが、実際にはその機能は非常に限定的です。
30年後にローンを完済して残るのは、築30年以上が経過した老朽化したワンルーム物件。賃貸需要は落ち、家賃収入は激減し、修繕費もかさみます。安定的な収入源としての機能はほとんど期待できません。また、団体信用生命保険(団信)は、契約者が死亡した際にローン残債をゼロにするもので、保険金が支払われるわけではありません。ローン残高は時間とともに減るため、必要なときに保障が十分得られないリスクがあります。
実際には、掛け捨ての生命保険のほうが月々の支払いが安く、より高額の保障を得られることが多いため、比較すればその“保険効果”は疑問です。
4. サブリース契約は、実は不動産会社に有利な仕組み
「サブリース契約(家賃保証付き)だから安心」というセールストークは非常に多く使われます。確かに、空室時でも一定の家賃が入るように見えますが、実際は数年ごとに家賃の見直しが義務付けられており、そのタイミングで減額されるのが一般的です。減額を拒否すれば、契約を打ち切られ、自分で入居者を探す必要が生じます。
また、サブリース契約は「借地借家法」の適用を受けるケースもあり、オーナー側から一方的に契約を解除することが非常に難しい構造になっています。
新築物件にまでサブリースが付けられている場合、その物件の魅力が乏しいか、売り手側に都合があると疑ってかかるべきです。むしろサブリースが付いている物件こそ、警戒が必要です。
5. 多額の負債がライフプラン全体を制限する
ワンルームマンションを1件購入するだけでも、数千万円のローンを背負うことになります。複数件にわたると、借入総額は数億円規模にもなります。これにより、住宅ローンや車のローン、教育ローンなど、将来的に必要になる本来の融資が受けづらくなるという問題が生じます。
また、毎月赤字が続くことで生活費が圧迫され、結婚・出産・転職などの重要なライフイベントの選択肢が狭まってしまう可能性もあります。これは単にお金の問題だけでなく、人生設計そのものに大きな影響を及ぼしかねません。
さらに、経済的に追い込まれることで、精神的なストレスも蓄積しやすくなります。「自分は医師なのに、なぜこんな状態に…」という自責感や無力感がうつ的症状に発展することも実際に起きています。
6. 法的に守られにくい「投資家扱い」という落とし穴
一般消費者として保護されるはずと思われがちですが、不動産投資を行った瞬間、法律上は“事業者”=プロ投資家扱いになります。これは、株式やFXなどと大きく異なる点です。
その結果、仮に営業トークに誤解を招く表現が含まれていても、「契約書に明記されていたなら自己責任」とされ、訴訟でも勝ちづらくなります。特に、口頭説明だけで契約に至った場合、証拠がなければ裁判で不利になる可能性が高いです。
つまり、いったん契約してしまえば、後から後悔しても手遅れ。法的な巻き返しは困難を極めるため、契約前に徹底的なリスク検討と冷静な判断が不可欠です。
【結論】医師が手を出すにはあまりに危険すぎる投資
✅ ワンルーム投資は「安定収入」「節税」「年金代わり」といった甘い言葉で誘惑されがちです。
✅ しかし、実態は「高値掴み」「赤字続き」「売却困難」と、地獄への片道切符になりかねません。
本当に資産を作りたいならどうすべき?
- ✅ 投資信託やNISA・iDeCoなど流動性と透明性がある制度を優先
- ✅ どうしても不動産に興味があるなら、区分ではなく一棟モノやREITを研究する
- ✅ 何より大切なのは「よくわからないものにお金を出さない」こと
このブログで、われわれ医師におすすめな、再現性の高い投資戦略について書いていきますので、ぜひブックマークしてまた覗きにきてください!
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