【勤務医】持ち家と賃貸はどっちがお得!??

医師のお金の話

「毎月家賃を払ってるなんてもったいないよー、家を買っちゃえば資産として残るから家買ったほうがいいよー」
なんて会話を医局で聞いたりしたことはありませんか?

「たしかになー」
なって思っちゃいそうですが、本当にそうでしょうか?

本記事では、勤務医が「マイホームを買うべきか?それとも賃貸が正解か?」について、ライフスタイル・資産形成・キャリアの観点から徹底解説します。


結論を先に言うと、「マイホーム=資産」と考えるのは非常に危険です!!詳しく説明していきます!!


勤務医の住まい選び、なぜ特別な検討が必要か

勤務医の住宅選びには、以下のような「特殊事情」があります。

  • 年収が高くローン審査が通りやすい:つい“買えてしまう”ことが選択を誤らせがち
  • 2~3年ごとの異動・出向:同じ場所に長く住めるとは限らない
  • 日々多忙でリサーチする時間がない:勢いだけで決断しやすい
  • 「留学」や別病院へ転職などライフステージが変化しやすい:医局は教授の交代などで簡単に労働環境が変わる可能性

つまり、普通の会社員以上に「将来の見通し」が立ちづらい職種なのです。


ここからは勤務医における「マイホーム」と「賃貸」のメリット・デメリットを紹介します

マイホームと賃貸の比較表

まず初めに、簡単な比較表をお見せします。

マイホーム(購入)賃貸
精神的安定感◎ 自分の「城」としての安心感△ 転居の不安・仮住まい感が残ることも
住環境の自由度◎ 間取り・設備・ペット等を自由に選べる△ 条件によっては制限が多い(ペットNGなど)
教育・子育て環境の確保◎ 学区や通学環境を重視して場所選びできる◯ 柔軟に住み替えは可能だが安定性に欠ける場合も
節税(住宅ローン控除)◯ 高年収の医師は控除額が大きくなる可能性× 控除の対象外
住宅手当の扱い× 支給停止や減額が多い◎ 支給される職場が多い
異動・転勤対応× 固定資産ゆえ、引っ越しが困難・損失リスクも◎ 異動時にスムーズに転居可能
住み替えの柔軟性× 一度買うと簡単に変更できない◎ 家族構成・ライフステージに合わせて自由に変更可能
資産性△ 一見資産だが、価値下落・流動性リスクあり× 資産にはならないが、リスクは少ない
長期的コスト△ ローンを払い終えても固定資産税・修繕費などがかかる× 家賃はかかり続ける
将来的な不動産市場リスク× 地価下落・空き家リスクに晒される◎ 借り手としては影響を受けにくい
高齢期の住まい問題△ 老人ホーム入居に伴う売却・相続などで手間がかかることも◯ 高齢者も賃貸しやすい社会となってきている

この表だけみても実感がわかないと思いますので、次からの項目で詳しく解説していきます!!

マイホームのメリット・デメリット

マイホームを選ぶ「メリット」

「自分の城」を持つ満足感と精神的安定

持ち家は「帰る場所がある」という安心感をもたらします。特に長時間労働の多い勤務医にとって、癒しの場は大きな価値です。

また、「マイホームを持つ」というのは一つのステータスと考える人も多いと思うので「周りに自慢できる」というのも一つの大きなメリットかもしれません。

子育てや教育環境を整えやすい

学区や周囲の環境を自分で選べるのは大きな魅力。公立小中学校にこだわる場合、人気エリアの住宅購入はひとつの戦略です。

住宅ローン控除などの節税効果

勤務医は年収が高いのでローン控除の恩恵は大きいです。

賃貸より広く快適な空間を手に入れやすい

ペット可、駐車場完備、防音性能の高い構造など、自分のこだわりを反映しやすいのも持ち家の利点。


マイホームの「デメリット」

資産価値の下落

家の価値は上がるものと考えがちですが、通常そのような家は限られていて、一般的に購入直後から家の価格は2~3割下がるといわれています。

事情が変わって購入後数年で家を売却しようと思ったら、ローン残高>売却価格だった・・・なんてことも珍しくありません。

出向や留学に対応できない「固定資産」

勤務医の「出向」や「留学」は通常2〜3年で帰ってくることが多いと思います。2〜3年の間だけ賃貸で貸し出すのも難しいですし、賃貸で別の家を借りる場合には住宅ローンと合わせて二重の負担になってしまいます。

家族をマイホームに置いて、自分は出向先の近くに安い賃貸を借りるというのも一つの手ですが、それでも2重にコストがかかることに変わりはないですし、「家」が原因で家族と離れてしまうリスクは避けたいですよね。

住宅手当の打ち切りで実質的な出費増

住宅手当は賃貸でのみ支給される職場も多く、住宅ローンでも支給される場合でも賃貸に比べて減額される場合もあります。これが地味に痛い。

家を買う前に職場にかならず確認しましょう!

別の病院への転職で住めなくなるリスク

医師の仕事は安定していると言われますが、「医局」は簡単に労働環境が変わってしまします。教授の交代で急に働きにくくなってしまったり、医局員が大量に辞めてしまったり・・・

そんなときに「マイホーム」が転職の足かせになるのはさけたいですね。

そんな時は売却も選択肢になるかと思いますが、住宅は流動性が低く、「売りたい時に売れない」ことが多いです。特に地方や駅遠の戸建ては注意が必要です。

維持費・固定資産税・修繕費は一生続く

ローン完済=住居費ゼロ、というのは幻想です。ローンを払い終わってからも固定資産税、保険、管理費・修繕積立金(マンションの場合)、外壁塗装や設備更新(持ち家の場合)、保険など…、計算してみると「え、こんなにかかるの?」ってくらい維持費がかかります。

災害・欠陥リスクはすべて自己責任

賃貸と違って誰のせいにもすることができません。ハザードマップを無視した立地選びや、欠陥住宅を掴んでしまうと目も当てられません。


賃貸のメリット・デメリット

賃貸の「メリット」

出向や転職に柔軟に対応できる

職場が変わっても、引っ越すだけ。身軽に生きられるのは勤務医の最大の武器。

家族構成や生活スタイルの変化に対応しやすい

結婚・出産・親との同居、離婚(・・・嫌だけど)など、住まいの条件は変わって当然。賃貸なら簡単に住み替えできます。

住宅手当が支給されるケースが多い

賃貸では住宅手当で住居費がまかなえる場合も。実質的な住居コストはマイホームより低く済むことも。

資産価値の上下に左右されない

賃貸は損を最小限に抑える“保険”でもあります。市場変動に一喜一憂せずに済むのは精神的に楽。

今後は空き家が増え、借りやすくなる時代に

高齢者でも借りられる住宅が増えつつあり、「賃貸は老後が不安」という時代ではなくなりつつあります。


賃貸の「デメリット」

これはマイホームのメリットの裏返しですね。

“自分の城”という感覚は得にくい

賃貸物件はあくまで「他人の家」。内装を自由に変えたり、庭でBBQを楽しんだりといった暮らしを自分で育てる感覚が得にくいのは事実です。

住環境の選択肢に制限がある

ペット不可、騒音対策の甘い物件、駅遠・狭小など、こだわりの条件に合う賃貸が見つからないことも。人気学区の物件は家賃も高く、選択肢は限られます。

家賃は一生支払い続ける必要がある

持ち家と違い、老後も住居費がかかり続けるのが賃貸の宿命。収入が減る高齢期に備えて計画的な資産形成が不可欠です。

医師にこそ必要な「お金の基礎教養」

言い方は悪いですが、医者は住宅販売業者にとって良い「カモ」です
収入が高いのにお金の教養が少ないので、ついついセールスマンのトークを鵜呑みにしてしまいがちです。

医局の先輩の「マイホームを持ったほうがいい」というアドバイスも、ソースがそういうセールスマンだったりするので注意が必要です。

このブログではそのような医師に必要なお金の教養を発信していきたいと思っているので一緒に勉強していきましょう!!


まとめ

家を持つことは多くの人にとって「夢」でもあり「リスク」でもあります
持ち家=正解でもなければ、賃貸=負け組でもありません。

私個人の意見としては、マイホームは「夢を叶える消費」として建てるなら最高の選択肢です。
一方で、「家賃がもったいないから」という理由で安易に買うなら、賃貸のほうが合理的です。

家は人生の中で最もお金のかかるものの一つなので、自分が将来どうしていきたいかよく考えて、ご家族がいるならば良く相談して決めてください。

その際にこの記事が何かの参考になれば幸いです。

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